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季節の変わり目に効く。身近に寄りそう植物「ドクダミ」

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梅雨の時期に裏庭などに群生し小さな白い花を咲かせる「ドクダミ」。
江戸時代のころから民間薬やお茶として親しまれてきた身近な植物です。

滞りがちな季節の変わり目に効く「ドクダミ」

季節の変わり目、特に春から初夏へ向かう途中の梅雨は、身体の代謝が滞りやすくなります。「身体の疲れがとれない」「だるさを感じる」「食欲がない」など不調を感じる方がいるのもその為です。

代謝が滞り「老廃物の溜め込む」状態が続くと便秘や肌荒れの原因にもなります。

10種類の薬効を有する 十薬(ジュウヤク)

ドクダミは生薬として10種類の薬効を有するという意味の「十薬(ジュウヤク)」と呼ばれ、漢方にも処方されてる万能植物。

ドクダミはミネラルやフラボノイドをバランスよく含み、溜め込んだ老廃物を出す「デトックス効果」や「むくみ緩和」などの効果があります。
また、弱った胃腸に働きかけ胃壁のただれや傷を癒します。

江戸時代の儒学者・本草学者である貝原益軒が著書『大和本草』の中で、ドクダミは「和流ノ馬医用之馬ニ飼フ、十種ノ薬ノ能アリトテ十薬ト号スト云(わが国の馬医がこれを馬に用いると、十種の効能があるので、十薬と呼ぶことにした)」
出典:ドクダ ミ成分情報:わかさ

ドクダミは「生葉」と「乾燥葉」で効能が異なる

 主な健康成分効用・効能
生葉デカノイル・アセトアルデヒド肌荒れ、水虫、おでき、はれもの蓄膿症、痔など
※乾燥させると酸化されて抗菌効果は失われる 
 クロロフィル傷ついた肌を再生してくれる。荒れた肌をなめらかにしてくれる。
乾燥葉クエルチトリン
(葉や茎に含まれる)
・排毒効果、新陳代謝を促し老廃物の排除
・動脈硬化の予防、脳梗塞、心筋梗塞の予防
・弱った胃腸の修復効果
・副鼻腔炎、アトピー性皮膚炎など
 イソクエルチトリン
(花穂に含まれる)
・排毒効果、新陳代謝を促し老廃物の排除
・動脈硬化の予防、脳梗塞、心筋梗塞の予防
 カリウムむくみをとる。便秘解消、血圧正常化
※腎機能の低下している方は、摂取の際に注意
参考:里山屋.com どくだみのパワー

上記の他にもミネラル(カルシウム、マグネシウム、鉄、マンガン、亜鉛)を含んでいます。
カリウムが高濃度に含まれているため、腎機能が低下している方は医師の判断をあおりましょう。

ドクダミを生活にとりいれる

≪飲む≫
デトックス(排毒)効果・便秘予防・むくみ予防、胃弱に。ドクダミに含まれる「カリウム」が体内に滞る毒素を排出し、そのデトックス効果で「むくみ」などを解消します。また余分な塩分を排出し血圧も下げると言われています。血液浄化を促し、弱った胃壁を修復し炎症をおさえる効果も期待できます。

≪つける・つかる≫
入浴剤として、美肌・腰痛・冷え性・アレルギー性皮膚炎・安眠・生理不順などに。100gほどの乾燥したドクダミを鍋で水から煎じ、その液のみを浴槽の中に流し込む。
※浴槽によっては着色するので、各自判断の上つかってください。
参考:自然の薬箱|どくだみ

≪湿布する≫
外用薬として皮膚が化膿時などに生葉療法。生葉ドクダミを5~6枚水洗いし、新聞紙等にくるみ、さらにアルミホイルで包む。焼き網で小まめにひっくり返しながら火にあぶり蒸し焼きに。やわらかくなった葉を取り出しドロドロにすりつぶすように練る。練ったドクダミをガーゼに伸ばし患部に貼る。
参考:自然の薬箱|どくだみ

≪塗布する≫
虫よけ・虫刺されに、生葉のドクダミ10gを 焼酎100mlで 1~3週間ほど漬け、その抽出液を脱脂綿などにひたし虫さされ跡につける。または虫よけとして予め肌に塗っておくなどして利用する。
※特徴ある匂いが強いです。アルコールに弱いかたはアルコール度数の低い焼酎を使います。

ドクダミ茶を作っておこう

もしお庭のドクダミを利用する場合であれば、5~6月の花が咲く時期、できれば午前中に採り日陰干しにします。花が咲いたドクダミを根本から(地上に出てるところ全部)ハサミやカマで切ります。

1.どくだみ草の採取
地面から少し上を摘み取り、水洗いして泥などの汚れをおとす。

2.天日で乾燥
どくだみを一掴みずつ分け輪ゴムなどでくくり、風通しのよい軒下やベランダで、穂先を下にして干す。晴天の夏なら3~5日、普通は1週間から10日くらい。手で触ってしゃりしゃりした感じになればOK。
(天気がよい場合は、どくだみを束にせず、ばらばらにして、日当たりのいいところに広げて、日光に当てて乾燥させてから、上記のように束にして干すと早く乾燥できます。)

3.保管
乾燥したどくだみは、はさみなどで小さく切って、タッパーや空きカンなどにいれ、風通しのよいところに置く。お菓子などに入っている乾燥剤を一緒にいれるのもよといいです。

4.焙煎
保管前に、多少湿り気があるくらいでフライパンなどで弱火で焙煎すると更においしくなります。葉・茎がより乾燥したら火を止めます。

5.飲む
どくだみ茶は、目安としては1日3回くらいにわけて飲みます。空腹時に飲むと体への吸収率もいいようです。

出典:堀り出し市場|ドクダミ(十薬)―ドクダミ科

乾燥させたドクダミ15gに対し水600ccで水から煎じて飲みます。

煎じている最中、そして飲むときに独特の匂いがあります。匂いが気になる方はお茶を冷やして飲むと多少和らぎます。

必要なものは身近に

「人が自分で歩ける範囲で採れたものを食べることは身体によく健康を保つことが出来る。」という言葉があるように、その土地にその季節に採れるものに目を向けてみるのも良いかもしれません。


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