Lifestyle

購入した服がどれだけ環境に影響があるか、貨幣価値で教えてくれるアプリ「My EP&L」

自分の買った服が、どれだけ環境に影響を与えているか気になります。。

服やバッグの環境負荷を「可視化」してくれるアプリなど、どうでしょう?

日々の生活も様変わりし、世界各地で持続可能な開発目標(SDGs)を叶えるため取り組みが進む中、国内のファッションも「エシカル」や「サステナブル」を意識する流れがでてきました。

しかし、自分が購入した服やバッグ、ジュエリーがどのくらい「環境にインパクト」を与えているかを知る機会は少ないと思います。

環境影響を貨幣価値で
教えてくれるアプリ「My EP&L」

無料アプリ「My EP&L」は、服やバッグ、ジュエリーのサプライチェーン*などの「環境フットプリント」を測定し「貨幣価値」に置き換えてくれるツールです。

*原材料・部品の調達から、製造、在庫管理、配送、販売、消費までの全体の一連の流れ

「My EP&L」のアプリアイコン
アプリ「My EP&L」の画面

ユーロで表示されるので、円換算して参考にしましょう。

アプリ名であるEP&LはEnvironmental Profit and Loss Accountの略で、日本語でいうと「環境損益計算書」という意味になります。

出典:ケアリング社

アプリ提供元のケアリング社は、グッチやサンローランなど多くの高級ブランドを保有する企業で、早い段階からファッション産業の「持続可能な開発」の開発に取り組んできました。

EP&Lに関しては、資源保全と事業発展を両立するためのアプローチとして、2011年に傘下のプーマ*が始めた取り組みです。
それをもとに各ブランドへ仕組みを展開し、消費者でも利用できる無料アプリとしました。

(*2020年10月にケアリング社はプーマの持株比率を下げています)

約10年前から取り組んできた結果が、いまのアプリなんですね。

ケアリング社は2020年の夏に女優で環境活動家でもある「エマ・ワトソン」が取締役員に就任しています。

4つのステップだけ。
「My EP&L」の使い方

「プロダクト」「素材」「素材の原産国」「製造場所」の4つを選択していくだけで、貨幣価値でどれくらい自分の服が環境インパクト*を与えているかが分かります。

*温室効果ガス排出、水利用、水と空気の汚染、廃棄物、土地利用などの環境負荷のこと

現状は、高級ブランドを保有する企業のアプリということもあり、素材(マテリアル)や原産国の選択肢が限られていますが、どの素材がどれだけ環境に影響があるかを確認するには参考になると思います。

アプリ「My EP&L」の画面

ジャケット、ハンドバック、リング、シューズ…確かに、ちょっと種類が少ないのが残念ですねぇ

その点は今後に期待ですね…。

選択できる素材(マテリアル)と
6つの環境指標

現在は24種類の素材(マテリアル)が登録されています。
また、環境指標は6つ設けてられており、これらの環境フットプリントをケアリング社の独自システムで貨幣価値に置き換えます。

アプリ「My EP&L」の画面

高級ブランドの服は持ってませんが…苦笑
指輪のダイヤモンドとか…調べても楽しいかも!!

購入予定の衣服やジュエリーを調べても良いですね。

どの素材を置き換えれば、
環境インパクトが減るか、も分かる

結果画面で、画面下部のボタン(下部図の青枠内)をクリックすると、環境インパクトを最小限に抑えるヒントや、円グラフを棒グラフにして表示してくれます。

例えば、バッグの素材の真鍮をバンブーに、製造場所を欧州からアジアに変更するなど…それだけで約1/3ほど環境インパクトが下がります。

アプリ「My EP&L」の画面

ちょっとビジネスライクな画面だけど、、
特定の環境指標に対しても、何ユーロか分かるのか。便利~

将来を担うデザイナー達の
参考ツールにも

素材や原産国を選択するだけで気軽に環境インパクトをシミュレーションできますので、服飾やジュエリーのデザイナー達の参考ツールとして利用しているところもあるそうです。

2019年の国連貿易開発会議(UNCTAD)の調べによると、ファッション業界は二酸化炭素の排出量が全業界の約10%ほどを占め、水資源を大量に消費する産業としては世界2位とのことです。

大量生産・大量消費の時代から、エシカルで持続可能な業界への追求は今後も続いてゆきます。



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