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合成界面活性剤(洗浄剤)を含まない「クレンジング」リスト
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配合成分に合成界面活性剤(洗浄剤)を含まない、オーガニックコスメ・ナチュラルコスメ ブランドの「メイク クレンジング」おすすめリストです。
界面活性剤はなぜ配合される?
界面活性剤とはシンプルにいうと「性質の異なる物質同士を混ぜ合わせる作用などを持つ物質」のことです。化粧品や食品などにおいて「乳化・洗浄・発泡/起泡・可溶化・分散・帯電防止・殺菌」など目的で配合されています。
以前「洗顔を見直そう」の記事で紹介したように、洗顔・クレンジングなどの「洗浄アイテム」で気にしておきたい成分は界面活性剤の中でも「合成界面活性剤(洗浄剤)」です。
界面活性剤の効果効能
界面活性剤は以下の目的で化粧品や食品などに配合されます。
・水溶性原料と油溶性原料を混ぜてクリームや乳液タイプの化粧品を作る(乳化)
読んで美に効く基礎知識:界面活性剤について
・化粧水やヘアケア製品などに、色素や有効成分を溶かし込む(可溶化)
・カラーメイクアイテムに顔料などの粉体を分散させる(分散)
・顔や体、髪などの汚れを浮かせて洗い流す(洗浄)
・浴用剤や洗顔剤などがよく泡立つようにする(発泡・起泡)
・ほお紅やフェイスパウダーなど粉状のアイテムをしっとりとさせ粉飛びを抑える
・静電気を防ぐ
・製品中で雑菌類が増えるのを抑える
・ヘアケアアイテムに配合され、髪に塗布したときにツルツルした感じを与える
化粧品やシャンプーだけでなく、フェイスパウダー(ファンデーション)やチーク、ヘアトリートメントなどにも配合されています。
界面活性剤を簡単に分類すると
界面活性剤は数多く存在し数千種類以上あると言われていますので、一般消費者の知識では「何が良い」のか明確な判断は難しくなっています。
◎原料(素材)で分類
原料(素材) | 天然の界面活性剤 | レシチン、大豆サポニンなど ※マヨネーズにつかう卵黄など | ※食品や化粧品に配合 |
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石油系の界面活性剤 | アルキルエーテル硫酸エステル塩(AES)など PRTR法(★)による第一種指定化学物質のものなど | ※シャンプーやボディソープ、ハミガキの発泡剤などに配合 |
◎イオン性で分類
イオン性 | 陽イオン性界面活性剤 | 塩化アルキルトリメチルアンモニウム、塩化ジアルキルジメチルアンモニウム、塩化ベンザルコニウムなど PRTR法(★)による第一種指定化学物質のものもある | ※ヘアリンスやヘアトニック、デオドラントに配合 |
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陰イオン性界面活性剤 | 高級アルコール硫酸エステル塩(AS、アルキルエーテル硫酸エステル塩(AES)など高級アルコール系、N-アシルグルタミン酸塩、リン酸エステル塩 PRTR法(★)による第一種指定化学物質のものもある | ※シャンプーやボディソープ、ハミガキの発泡剤などに配合 | |
両性界面活性剤 | レシチン、イミダソリン型、ベタイン型 | ※帯電防止剤としてヘアリンス、トリートメント、ヘアスプレーなどに ※皮膚刺激性や毒性はほかの界面活性剤より低めのためベビーシャンプーなどにも利用される ※陰イオン性、陽イオン性のどちらにもなれる | |
非イオン性界面活性剤 | — | 多価アルコールエステル型、.酸化エチレン付加型界面活性剤 | ※水に溶けてもイオンにならない界面活性剤 さまざまな界面活性剤と組み合わせることができる。 |
◎化学的処理の有無で分類
化学的処理 | 天然界面活性剤 | レシチン、大豆サポニンなど | ※マヨネーズにつかう卵黄など |
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合成界面活性剤 | ※化学的処理をしている |
「合成界面活性剤」と見分けるのは難しい
数千種類以上あるという界面活性剤を一般消費者が見分けるのは難しいのが現実です。「原料」が天然系であっても「化学的処理」をされれば合成界面活性剤に…。
ナチュラルコスメと言いつつ実はそうではないものが存在する理由はこのあたりからきてそうです。
薬事法の定める「表示指定成分」で見分ける?
旧厚生省は「使う人の体質によってアレルギーや肌トラブルを危険性」のある成分を「表示指定成分」とし102種類の化粧品成分について商品への表記を義務つけていました。
この「表示指定成分」のほとんどは石油からの合成成分であり「合成界面活性剤」だけでなく「タール系色素」や「合成防腐剤」などが含まれます。
2001年に薬事法が変わり「全成分表示」が義務づけられたため、「表示指定成分」と「その他の成分」が一緒に表記されるようになりました。結果、一般消費者によって「どれがトラブルを起こす危険性がある成分か」見分けがつきにくくなってしまいました。
無添加とは102種類の「旧表示指定成分」を使用していないだけで、他の化学物質が入っていても「無添加」と表示されます。
メーカー・企業情報や専門書籍に頼るしかない
「界面活性剤が悪い」と都市伝説のようになってしまうのは、こういった基準が一般消費者に分かりやすく公開されていないのも原因の一つかと感じます。
下記の合成界面活性剤(洗浄剤)を含まない「クレンジング」リストは、書籍「自分で調べて採点できる化粧品毒性判定事典」を参考に作成しました。
※各商品のラベル(全成分)を元に作成 2015年7月現在 ※最新情報は各ブランドの公式ページなどでご確認ください。
合成界面活性剤(洗浄剤)を含まない「クレンジング」リスト
国が企業任せにした結果?
旧厚生労働省の時の資料も、薬事法(農林水産省)の資料も消費者に分かりやすい状態で「表示指定成分」を公開していません。
一部の識者やメーカー・企業が「102種の旧表示指定成分」や「103種の表示指定成分」を分かりやすくリスト化したものを頼りに自ら調べ選んでいく必要がありそうです。