ethical_life

Ethical Life?

自然に寄りそう暮らし

健康・美容・食・環境に配慮したライフスタイルを「エシカルライフ(ethical life)」と総称し、コト・モノを紹介します。

Read more

Ecology

子どもと一緒にSDGsでできることは? ー 海洋プラスチック (14.海の豊かさを守ろう)

子どもとSDGsを一緒に学んでいきたいのですが、何をきっかけにしようか考えてます。

日常に関わるところから会話すればいいと思いますよ。
例えば「海洋プラスチック」について。ちょっと長いのですがヒントになれば。

海洋プラスチックは、
どこから出てくるの?

海洋プラスチック問題、何となくはわかっていても、何がどのようにそこに繋がっているのかイメージできるでしょうか。

日本国内のプラスチック製品のみに関してですが、図で見た方が分かりやすいかもしれません。

上記の図は2019年のデータになりますが
プラスチック製品の総生産量に対し、一般家庭、企業で消費され回収された廃棄物を「廃プラスチック」と呼び、廃プラスチックは「有効利用」または「焼却・埋立」されるフローが一般的になっています。

このうち、主に海洋汚染につながっているものは「廃プラスチック」として回収されていない「不法投棄やポイ捨て、自然災害」による廃棄物です。
これに加え、海外からの「漂着ごみ(全国の推計料31〜58万トンほど)」などがあります。(2013年時点のデータ)

主に不法投棄や漂着ゴミが、年月をかけ海で微細なプラスチック片(マイクロプラスチック)となり海洋汚染や生態系に影響を与えます。

廃プラスチックは
有効利用されている

正しく分別され廃棄物として回収された「廃プラスチック」は、大きく分けて3つの方法で有効利用され活用されています。

  •  マテリアルリサイクル(再生樹脂、再生製品)
  •  ケミカルリサイクル(鉄の原料など)
  •  焼却時(発電設備付き焼却炉などで焼却)の熱エネルギーを回収して利用(発電、温水など)

統計が出ている範囲で「廃プラスチック」の有効利用率を見てみると、
2005年は約58%、2017年までで約86%まで伸びましたが、2018年では約84%にやや低下しています。

一般家庭からでる
廃プラスチックは何が多い?

前述の図を見ていただき「廃プラスチック」の約42%が、一般家庭より排出されているのがわかると思います。

では、一般家庭においてプラスチック廃棄物の「何が」多くの割合を占めているのでしょうか。

78%  包装・容器、コンテナ等
5%   電気・電子機器などの
11% 家庭用品、衣類、家具、おもちゃ
6% その他

こうした背景などにより、2019年5月に政府は「プラスチック資源循環戦略」を制定し、その重点戦略の1つとして「リデュース」の徹底を位置づけました。

「買い物袋の利用」の縮小を進めている理由がなんとなく伝わったかと思います。
詳細に関しては、経済産業省が特設サイトを設けて説明しているので興味がある方はご確認ください。

優先順位をつけて
”総”使用量を減らしていく

プラスチック製品の包装・容器、コンテナなどは、一般家庭の廃棄物の多くを占めていますが、一方で「食品ロス問題」に貢献しています。

成形しやすく、軽くて丈夫。密閉性・耐熱性も高く、食品などの内容物を清潔を保ったまま、劣化・腐敗から守ってくれるからです。
清潔であれば感染症の拡大防止にも役立ちます。

プラスチックの総使用量を減らすことを考えたとき、何を優先的に対象にするか、多角的にみていければいいと思います。

海洋プラスチックを
減らす3つのチャレンジ

1:守る

できることから始めるしかありません。
わたしたちにできることがあるとすれば、基本の3Rをまず守ることから。

・正しくゴミを分別して廃棄する (リサイクル)
・過剰に買わない、使用しない  (リデュース)
・可能なものは長く使用する   (リユース

廃棄物の総使用量を減らす、循環型社会の基本とされていることです。

2:伝える

家族にゴミの分別する理由・方法を伝えたり、
共に買物へ行き「MSC認証マーク*」のついた水産物を選ぶなど
日常生活の中で一緒にSDGsについて、気軽に伝える・話し合う機会を作ってはいかがでしょうか。

*海や自然の資源を守りながら捕られた水産物を表す海のエコマーク

3:見直す

日々消費する生活用品の一部をプラスチック製品からガラスや竹、ステンレス製品へ置き換えてもいいでしょう。

国内のデータではありませんが、一人あたり生涯*
・「歯ブラシ」を約300本
・「ストローは」約38,000本*

ほど使うそうです。

*生涯/5歳〜65歳の間

正しくゴミを分別し、過剰にモノは買い揃えず、小さなことからチャレンジしてはいかがでしょうか。

スイスのダボス会議(2016年1月)の報告によると、
2050年までに海洋中に存在するプラスチックの量が魚の重量を上回ることが発表されており、プラスチックのリサイクルを促進し、海など自然界への流出を防ぐことが急務になっています。



絵本などを利用して、子どもと環境問題を話すときは「(お魚さん)かわいそう」からスタートしてもいいかもしれませんね。

まずは、自分が学ばないとですね。 何となくですが、子どもと話せそうな気がしてきました笑



参照:
一般社団法人 プラスチック循環利用協会:
プラスチック製品の 一般社団法人 プラスチック循環利用協会 2019年12月発行 生産・廃棄・再資源化・処理処分の状況2019年12月発行
https://www.pwmi.or.jp/pdf/panf2.pdf
海洋ごみとマイクロプラスチックに 関する環境省の取組 海洋ごみシンポジウム2016
https://www.env.go.jp/water/marine_litter/00_MOE.pdf
日本プラスチック工業連盟
http://www.jpif.gr.jp/00plastics/conts/riten_c.htm
経済産業省
https://www.meti.go.jp/policy/recycle/plasticbag/plasticbag_top.html
環境省:
水・土壌・地盤・海洋環境の保全海洋ごみとマイクロプラスチックに 関する環境省の取組 海洋ごみシンポジウム2016
https://www.env.go.jp/water/marine_litter/00_MOE.pdf